会長挨拶

第47回佐賀救急医学会 会長
地方独立行政法人 佐賀県医療センター好生館
看護部長 宮地由美子

 このたび、令和 7 年 9 月 13 日(土)に、第 47 回佐賀救急医学会を佐賀県医療センター好生館で開催させていただくことになりました。会員の皆様はじめ佐賀県内の各医療機関、救急に携わる消防関連等、多職種の皆様に感謝いたします。

 佐賀県では、令和 5 年の高齢化率が約 31.7%に達し、医療・介護の複合ニーズを有する 85 歳以上の高齢者及び在宅医療需要の増加が見込まれています。本格的な多死社会を迎える中で、救急現場では救急搬送後の帰宅時支援の重要性が認識されはじめてきました。更に救命にとどまらず、患者が住み慣れた地域で暮らすためには、早期離床・リハビリテーション、早期の退院支援が不可欠となっています。

 一方で、高齢者の救急搬送の増加に伴い、本人が希望する「在宅で最期まで療養する」という意思にそぐわない救急搬送が増加する懸念されています。これに対応するためには、病状の変化のみならず、療養場所や延命措置の希望を含めた意思の共有と支援が、地域全体で推進される必要があります。

 このような現状を踏まえ、第 47 回の医学会は、「救急医療と在宅医療の連携~地域医療の未来を築く」をテーマといたしました。これから迎える多死社会や高齢者救急の課題解決に向けて、佐賀県における救急医療と在宅医療のより一層の連携推進を目指し、職種や施設の枠を越えた活発な議論を行いたいと考えています。基調講演では、鹿児島県の「松岡救急クリニック」院長の松岡良典先生に同テーマでご講演をいただきます。

 またシンポジウムでは、救急医療を経験され現在在宅医療をされている医師及び看護師、救急現場の看護師、救急隊、MSW 等、様々な立場、多職種の視点から、ご発表ディスカッション頂き、医学会に参加される皆さんと共に勉強していきたいと思います。

 尚当館は、現在増築整備の進行中です。本医学会においてご不便をおかけするかもしれませんが、有意義な会となりますよう職員一同心よりお待ちいたしております。

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